週刊田崎

田崎 健太 Kenta Tazakimail

1968年3月13日京都市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。
著書に『cuba ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス30年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日−スポーツビジネス下克上−』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)、『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社)。最新刊は『維新漂流 中田宏は何を見たのか』(集英社インターナショナル)、『ザ・キングファーザー』(カンゼン)。
早稲田大学講師として『スポーツジャーナリズム論』『実践スポーツジャーナリズム演習』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員。『(株)Son-God-Cool』代表取締役社長として、2011年2月に後楽園ホールでのプロレス『安田忠男引退興行』をプロデュース、主催。愛車は、カワサキZ1。
twitter :@tazakikenta

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2013年8月12日

ぼくたちの仕事にはきりがない。締切が終わっても、次の単行本の資料集め、読み込みなど下準備、打合せ、写真整理などなど――。基本的に自分が興味のあること以外は仕事にしていないというのもあるだろう、一年365日のうち、全く仕事をしない日は皆無に近い。どこかへ出かける場合でもだいたい何らかの仕事が絡んでいる。せっかく行くのだから、と思ってしまうのだ。
そんなぼくが久し振りに完全な休みを取ることにした。行き先は北海道である。大学生の時からずっとオートバイで北海道を走ってみたいと思っていた。ただ、その機会はなかなか訪れなかった(大学四年生の時はせっかくだからと、アメリカ大陸横断の旅に出かけた)。
ここ数年、ウェディングドレスデザイナーの伊藤羽仁衣の関係で、北海道に沢山の友だちが出来るようになった。その中の一人、羽仁衣の兄、慎君との約束で北海道を走ることにした。
初めての北海道の感想は――。
楽しい。
真っ直ぐな道が続き、走るには最適である。街から少し出ると自然が広がり、本土と違い、テントを張る場所にも困らない。この季節限定なのかもしれないが、ずいぶん豊かな生活環境だなと羨ましく思った。
人は育った環境によって性格が規定されるものだ。北海道育ちの人におおらかな性格の人が多いことに合点が行った。
もっとも――。
出発前に仕事が終わらなかったため、最後の数日間は温泉宿に泊まり込んで仕事をする羽目になった。テレビから流れるニュースによると、東京は暑い日が続いているようだった。地元の人は暑いとはいえ、北海道は夕方には気温が下がり、過ごしやすい。温泉の質も良く、仕事が進んだ。 また、来年だな。

今回学んだのは同じ北海道でも地域によってかなり温度差があること。道東は寒かった…。夏でも革ジャンが必要なのだ。知床峠の頂上では雪が残り、強風に吹かれていた。少し降りると、雲が切れ青空が覗き、急に暖かくなった。

初日にハンドルロックのシリンダーがなくなっていることに気がついた以外、カワサキZ1はノントラブル(どうしてシリンダーごと落ちてしまうのか不明…)。四十年前のオートバイが、頑丈に出来ていることを再確認した。Z1は目立つのでしばしば声を掛けられた。根室ではZ乗りのチームと遭遇。オートバイ乗り同士はすぐに仲良くなれるのでいい。