週刊田崎

田崎 健太 Kenta Tazakimail

1968年3月13日京都市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。
著書に『cuba ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス30年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日−スポーツビジネス下克上−』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)。 最新刊は『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社)。
早稲田大学講師として『スポーツジャーナリズム論』『実践スポーツジャーナリズム演習』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員。『(株)Son-God-Cool』代表取締役社長。愛車は、カワサキZ1。twitter :@tazakikenta

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2012年09月18日

「約束の日 安倍晋三試論」(小川榮太)を読了。まさに、朝日新聞による、政治家の殺し方≠ナある。安倍晋三に対する、あの一時期の嵐は何だったのかという疑問が氷解した。朝日新聞が社ぐるみで、総理を引き摺りおろした様子が描かれている。
誰もが感じていることだろうが、この国の(新聞とテレビの)政治ジャーナリズムは異常だ。全くジャーナリズムとして機能していない。その大新聞が「ジャーナリズム学校」とやらを主宰しているのは、まさに噴飯物なのだが。
ただ、この本を読んでも、安倍晋三がひ弱だという印象はぬぐえなかった。それはぼくが中田宏という徹底的に潰されかけた政治家を知っているからかもしれない。中田宏の言葉を借りるならば、新しい酒を作る時に、古い革袋は使えないのだ。安倍の考えを実行するには、自民党という枠組みでは無理である。腐りきった自民党の中でやり遂げられると信じたのは、二世政治家らしい、夢想だったと断じられても、仕方がない。 そして、この本を読んで改めて思ったのは、スポーツ報道は、政治や経済に比べると、低く見られることが多いが、まだまともだということだ。スポーツはフリーランスの人間が身銭を切ってしぶとい取材をしてきたという歴史があるため、自浄作用がある程度、働いているのかもしれない。

今日読んだ本、三冊。「約束の日 安倍晋三試論」、金田正一さんの「やったるで!」、「銀座建築探訪」。相変わらず、ばらばら。Amazon泣かせだろう。Amazonが勧めてくれる本に頷くことは殆どない。

2012年09月11日

先月に引き続きの大阪だった。大阪市特別顧問に就任した中田宏さんと一緒に大阪に行くまでは、あまり縁のある街とは言えなかった。それが今年に入って、四回目の大阪である。年内にまだ何度か行くことになりそうである。
今回は維新の会の公開討論会の取材が主たる目的だった。五時間に渡る討論会は、眠気に耐えるので必死だった。橋下市長たちは、討論するつもりだったのかもしれないが、維新に合流を決めていた国会議員たちは、すり寄ろうとする意図がありありで議論にならなかった。
中田さんに定期的に話を聞いているので、ぼく自身は維新八策を理解しているつもりである。国会議員たちの言葉は、橋下市長たちに嫌われないように、必死で表面をなぞっているようにしか見えなかった。しかし、国会は数、というのも現実である。政党として大きくなると、純度が下がることは避けられない。その歩留まりをどこまでで押さえるのか。維新の会の活動は新たなステージに入った。
維新の会の討論会の他、折角大阪に行くのだからと、他の取材予定を組んだため、濃い四日間になった。戻ってしばらくはデータ整理に忙殺されることになりそうだ。
少し前、事務所のインターネット接続を解約して、WiMAXにすることにした。国内出張が多くなって、モバイル環境の整備の必要性を感じていた。しかし、自宅と事務所に加えて、モバイルもというのはさすがに多すぎる。そこで多少の不便を覚悟しながら事務所のインターネット接続をWiMAXに置き換えることにした。二年契約のキャンペーンを使えば、事務所で契約していた光ファイバーよりもずっと安いのも魅力だった。 実際に使ってみると……なんの不便もない。ぼくはスマホを使っておらず、iPadもWi-Fiだった。WiMAXのルーターがあれば、どこでも使える。改めて、便利である。iPhone5には興味はないが、iPadよりも小さい、iPodtouchの新型が出れば欲しい。

百社四百人以上の報道陣が集まり、報道受付は一時、係官が声を荒げることもあった。

2012年09月08日

原稿書きで追われていた、という訳ではないのだが、取材、打合せが入って落ち着かない日々が続いていた。
そんな中、新しいカメラを買ってしまった。RICOHのGXRである。
この秋でCanonのS95が二年、そろそろ買い換え時かなと、様々なコンパクトカメラを検討していた。ぼくは、初代KISSデジ、40D、7Dとデジタル一眼レフを使い続け、仕事で写真を撮ることもある。しかし、あくまでも撮ることもある≠ニいうのが基本である。
財政的、あるいは時間的な制約がなければ、写真は写真家に任せるべきだ。ぼくが仕事として撮影するのは、長期にわたる出張で一人で行動している時、もう一つは被取材者との関係性で第三者を入れないほうがいいと考える時だけだ。
取材のためには身軽でいたい。だから、ぼくはずっとコンパクトカメラを愛用してきた。銀塩時代のGRを二台、その後、GRDも二台、そしてS95と使い続けている。
ぼくがコンパクトカメラに求める条件は二点ある。

1.
ツボにはまれば、単行本のカラー写真に耐えうる画質があること。
2.
単焦点レンズ。

2.については、学生時代に銀塩のCanonAE1、就職してからはCONTAXのG1を使い、単焦点の描写が好きだった。また、写真の師匠とも言える横木安良夫さんから十数年前に、「画角を身体に叩き込むために単焦点の方がいい」というアドバイスを貰っていることもある。今から考えればこの教えは正しい。画角が固定されているから、身体を動かすし、アングルを考える(S95はずっと最広角に固定して使っていたものの、二番目の条件は満たしていなかった)。

色々と悩んだ末、RICOHのGXRにGR LENS A12 50mm F2.5 MACROを付けることにした。敢えて広角ではない、50oの標準レンズを選んだ。実際に使ってみると、不自由さが楽しい。何でも撮れるズームレンズは、平均的な写真になりがちだ。単焦点レンズは制限があるから工夫して、突出した写真が撮れるような気がする。
今日からの再び大阪出張。GXRをリモワの中に放り込んだ

GXRに50oレンズをつけたところ。GRDと比べると一回り大きい。CONTAXG1よりは少し小さく軽い。

GXRで愛車カワサキZ1を撮影。暗いところでも工夫すれば綺麗に写る。さすがGRレンズか。ただ、AFが遅い。これも善し悪しで、より構図を考えるようになった。

事務所の近くのつけ麺「桃の木」にて。自然で柔らかな色が出ている。